以下、スタートアップエコシステムの登場人物となる各セクターの状況を俯瞰してみる。
まずは、支援側であるベンチャーキャピタル(VC)とアクセラレーターについて。
<ベンチャーキャピタル(VC)>
ローカルVCファームはかなり少ない。日系や欧米系による投資がようやく増えてきてたところである。ローカルと非ローカルを区別することにそんなに意味はないかもしれないが、以下にローカルVCを紹介する。
■概要
設立:2011年
出資レンジ:USD500,000~USD3 million程度
ポートフォリオ:約15社
■特徴
EC、FinTech、ゲーム等幅広い領域への投資を行っている。
Venturra Capital (webサイトなし)
■概要
設立:2015年
出資レンジ:USD2~5 million程度
ポートフォリオ:約10社
■特徴
元Rocket Internet(ドイツの有力な事業創出会社)、元Google、元Lippo(インドネシアの財閥系コングロマリット)というメンバーにより設立された(記事参照)。Lippo Digital Venturesの後継といえる。EC、FinTech、ヘルスケア、教育領域への投資を積極的に行っていくとしている。
■概要
設立:2014年
出資レンジ:USD2~10 million程度
ポートフォリオ:約10社
■特徴
2014年に設立された新興VCファーム。アーリーステージのスタートアップへの投資を行っている。
番外編)Ardent Capital
■概要
設立:2011年
出資レンジ:USD500,000~2 million程度
ポートフォリオ:約15社
■特徴
Ardent Capitalはタイを本拠点とするVCファームだが、インドネシアの財閥系コングロマリットである Sinar Masグループの投資部門と提携してインドネシアでの活動を本格化している。また、投資業務のみならず、自ら事業創出も行っていくということだ。
<アクセラレーター>
アクセラレーターも同様、目立った実績を出しているプログラムはまだない。しかしすでに財閥や大手企業等が積極的にサポートをしており、今後ゆっくりではあるが活性化していくだろう。
■概要
設立:2013年
プログラム:6ヶ月
ポートフォリオ:N/A
■特徴
インドネシア最大の複合メディアグループKompas Gramedia Group (KGG)と、そのKGGグループが運営する大学であるUniversitas Multimedia Nusantara (UMN)によるインキュベーションプログラム。ネット、モバイル、ソーシャル、教育、EC領域のスタートアップを積極的に支援する。
■概要
設立:N/A
プログラム:6ヶ月間
ポートフォリオ:約25社
■特徴
インドエンシア最大の通信事業者であるTelkom Indonesiaによるインキュベーションプログラム。IT、メディア、エデュテインメント、サービス領域のスタートアップ支援を行うとしている。プログラムでは、ビジネススキルメンタリングやグロースチャネル、ネットワークを提供する。
■概要
設立:2011年
プログラム:情報なし
ポートフォリオ:約25社(社内インキュベーションであるインハウススタートアップを含む)
■特徴
Global Entrepreneurship Program Indonesia。2011年、Global Entrepreneurship Program (GEP)というオバマ米大統領のイニシアチブの下でスタートしたプログラムのインドネシア版として13人のインドネシアビジネスリーダーが設立。インキュベーションプログラムと、エンジェル投資家ネットワークを提供。
■概要
設立:2011年
プログラム:情報なし
ポートフォリオ:約1~5社
■特徴
シードフェーズのスタートアップへは、USD5,000~USD50,000の出資を行い、ビジネス戦略・マーケティング・ネットワーク等の方面から事業成長支援を行う。
続く。